Thursday, May 7, 2009

一の巻(14)

その1メートル四方の箱には、宝くじを売るという目的に必要な機能が驚くべき精密さで詰め込まれている。欠けているのは、肝腎の宝くじを売る人が快適に宝くじ売りという仕事を遂行するための機能である。この宝くじ売りの狭い箱を見る人の少なからずが狭い鳥かごに詰め込まれて卵を生み続ける鶏を思い浮かべるであろうと想像する。限られた歩道の空間で宝くじを売るという機能のために、その人は狭い箱の中で我慢をしていると私には見える。箱をもう少し広くすれば済むことなのだ。あるいは箱ではなく、ちゃんとした宝くじ売り場のオフィスをつくればよい。歩道が狭いなら拡げれば良い。日本には土地がないから、狭いのは仕方がないという。それはウソだと私は思う。ちょっと田舎にいけば、車が無ければ食料も手に入らないような所はいっぱいある。土地を売って人よりも余計に金儲けをしたい人が、居住空間を切り刻んで、切り身にして高い単価で売りつけようとするから、都会の土地や家の値段が高くなりすぎるのである。しかも、不思議な事に日本人はその狭くて住みにくい場所へ自ら進んで住みたがる。こんな冗談を思い出した。

ストレスが溜まってノイローゼ気味の人がニューヨークへ引っ越した。
なぜなら 、
ニューヨークに住めば、ストレスとノイローゼの理由ができるから。

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