Thursday, April 2, 2009

一の巻(4)

所定の時間に間に合うように、単線電車に乗る。平日でも一時間に1-2本しか運行していない。単線のせいか、始終止まっては、時間待ちをする。その間、車内の温度を保つためか、ドアが閉まる。その間に乗り降りしたい人は、ドアの横にあるボタンを押して乗客自らドアを開け閉めするのである。大学最寄りの駅は電車で15分ほどの無人駅だった。降りるときは、先頭車両まで行かなければならない。駅で止まると、運転手がいきなり振り向いて、客室との境の窓を開け、切符を受け取ったり、清算をしたりするシステムなのである。無人駅をぐるりと回って、駅の南側の畑と住宅が混在する通りを大学方面へと下る。幹線道路を除けば、畑のあぜ道を拡げて舗装したという感じの通りである。背広を着てスーツ鞄を下げた中年の男の人が面白くないような顔をして、駅の方向へ歩いてくるのとすれ違った。(あとから思えば、今回の教授選の別の候補者だったのだろう)

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